王者の風？

　先日、薔薇園でスケッチをしていました。

背後で足音がしたと思って振り返ったら、一目散に走っていく小学生女子…。
なにやら悲鳴を上げていたような。
何か恐ろしいものを見たのでしょうか。と、そのときは思っていたのですが。

先日「闇夜への扉」で試験勉強していたら、暁様が「捗っていないのか…」とお尋ねになりました。
いえ、そんなことは…。とお答えして、ふと気づくと。

　教室では「御鵺、悩み事か」と、やたらと聞かれますし。
「閻魔帳つけてらっしゃる？」とか聞かれるし。
ひょっとして、集中してると、わたし、怖い顔してるのでしょうか？

…と思って、聞いてみると。
「なんか出てる」とか、「それでは、小学生も逃げる」とか、ご意見をいただきました。
十四歳の乙女として、それはどうかと。反省です。

ねえやに言ったら、「御鵺の家の次期様でらっしゃいますから、それ相応の風格が身についてこられたのでしょう。ようございました」
と、喜ばれ、あまつさえ、ご馳走を作られてしまいました。

　本業能力でもないのに、「王者の風」はいりません。
制御できなければ、ただのアンタッチャブルではありませんか…。
まさか、実家で絵を描いているとき、呼ばなければ誰も寄ってこなかったのは、そういう訳が？

……わたしが絵を描いていても、鷹揚に側にいてくれる殿方。
あぁあ、お婿様のハードルがますます上がっていく…。